開湯1300年の歴史を誇る温泉地・天ヶ瀬。
この町の中心を流れる玖珠川の畔に、一軒のコーヒースタンドがオープンしました。
『天ヶ瀬観光ホテル 成天閣』に続く紅い吊り橋とのコントラストが絵になる、紺色のお洒落なコンテナカフェです。
手作りのベンチとサイドテーブルが配された店内は、こぢんまりとしていながらもコンテナの中とは思えないお洒落な空間。
河川側には大きな窓が設けられ、そこから見える川の景色も自慢の一軒です。
「天ヶ瀬に残る素晴らしい温泉の文化を多くの人に伝え、その文化を継承していくお手伝いがしたい」
店主は、3年前に地域おこし協力隊員として関東からこの地に移住してきた近藤 真平さん。3年の任期を終えた翌年の2019年8月に、コンテナカフェ『fuchi(フチ)』をオープンさせました。
移住のきっかけとなったのは、東日本大震災だったと言います。災害の恐ろしさや震災直後の食糧難、都心であるがゆえのリスクを身を持って感じ、奥様の出身地である日田に家族で移り住むことを決めました。
「地域おこし協力隊員として活動していくなかで、天ヶ瀬の素晴らしい温泉文化に触れました。天ヶ瀬には、誰もが100円で利用できる“共同露天風呂”という丸見えの混浴温泉が5箇所残っています。14軒ある温泉施設はどこも泉質が異なっていて、一つの温泉施設で3つの泉質が楽しめる場所もあるんですよ。そんな魅力を多くの人に広めて、この土地ならではの温泉の文化を残していきたい。そのための“町づくり”を考えた時に、この町には気軽に立ち寄れるコーヒースタンドやバーのような店が足りたいことに気付いたんです。それにバーテンダーの経験があったので、ドリンクには自信がありました」
「店のすぐそばを川が流れていますが、河川には水の流れが緩やかで深みのある“淵(ふち)”という場所があります。魚は流れの速い瀬でご飯を食べ、淵で休むという習性があるんです。この店は、地元や観光の人たちにとっての“淵”でありたい。そして、つかの間の休息を求めて集まってきてくれた人たちを“縁”で繋ぐ場所になれたらいいなと。縁は“ふち”とも読むので、このふたつの“ふち”から店名を『fuchi』と名付けたんです」
私が伺ったこの日もオープンから、地元の人やお仕事途中に立ち寄る常連さん、観光客らしき方々が入れ替わり立ち替わり訪れ、店主の近藤さんとの会話を楽しんでいました。すぐ近くに観光ホテルがあることから、浴衣で訪れる人も多いんだとか。
自家製シロップで作るドリンクに注目!
“コーヒースタンド”ということで、メニューはドリンクが中心。
日田市内にある人気カフェ『Hazebo Coffee』の自家焙煎の豆で淹れるコーヒーをはじめ、ソフトドリンクやアルコール類を提供されています。
なかでもおすすめなのが、自家製シロップで作るドリンクです!
この日はレモンと地元のブルーベリーで作った2つのシロップが用意されていましたが、その時々で天ヶ瀬で採れたフルーツや旬の食材を使ったドリンクが登場するとのこと。
天ヶ瀬のトマトファームさんのトマトジュースで作るサワーやソフトドリンクも必見です。
お洒落な店内で川を眺めながらゆっくり味わうのはもちろん、テイクアウトもOK。
すぐ近くには無料の足湯スポットや桜滝などもあるので、美味しいドリンクを片手に観光や湯めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか?
fuchiのSHOP DATA
[営]13:00〜23:00 日曜13:00〜17:00
[休] 月〜木曜
[P] 店舗横にあり※満車の際は河川敷の共同駐車場へこの情報は2019.9.17現在のものです。お店の情報や商品の価格は変更になっている場合がございますので、事前に店舗へお問い合わせください。






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